使うときに見えなくなってしまうもの

使うときに見えなくなってしまうもの

鍋敷き:FUTAGAMI / ふたがみ (富山)

鍋敷きは文字通り、鍋の下に敷いて使うもの。
鍋敷きが仕事をするとき、鍋に隠れてしまいます。
仕事をするときは姿を隠し、休んでいるときに姿を現す道具なのです。

FUTAGAMIの鍋敷きは、仕舞う場所に困りません。
なぜならば、そのまま壁に掛けてしまえば、立派なオブジェになってしまうから。

出番の少ない道具は、引き出しの奥深くに仕舞ってしまい、
いざ必要な時にはなかなか見つかりません。
しかし、壁に掛けたり、飾っておけば、必要なときにすぐ手に取れます。
美しい道具は、使うときだけでなく、休んでいるときも、部屋を演出してくれます。

この鍋敷きは真鍮(しんちゅう/銅と亜鉛の合金です)で作られています。
真鍮は酸化すると黒ずんでいきますが、
その変化する様子も、道具を使う楽しみとなります。

西洋では、磨いてピカピカにして、最初の姿にもどすのが一般的です。
酸化を侘び寂びとして美に感じるのは、世界でも珍しいそうです。

この写真の鍋敷きは、4年ほど使用したものです。
だいぶ黒ずんで、落ち着いた雰囲気になりました。
先祖から代々受け持ったこの感性を、現代の私たちも楽しみたいですね。