お客さまの声

世代を超えて、家族みんながずっと安⼼して暮らせる住まい

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道の端々に先⽇降った雪が残る2⽉のとある⽇。⾞を⾛らせて向かったのは、住宅街の中でどっしりと佇むOさまのご⾃宅です。今回は、こちらに住み始めて12年が経つOさまご夫婦と将来おうちを引き継ぐ予定の⻑男夫婦にお話をうかがっていきます。

旧家を襲った震災。建て替えるならこの先も永く住み継げる家に。

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現在、こちらの家にはOさまご夫婦と次女の3人で暮らしているそう。同席した⻑男夫婦は近隣にある一軒家に住んでおり、一緒に農業を営んでいます。週末には、長男夫婦とその子どもたちも集まり、3世代揃って食事を囲むことも多いのだとか。大人数が集まっても、高天井のリビングと二間続きの和室のおかげで家族全員のびのびと寛げているようです。

以前住んでいた家は、明治27年築。リフォームしながら120年以上住み継がれてきた平屋でした。しかし、東日本大震災から一ヶ月後に起きた余震で倒壊。「まさか自分の代で家を建て替えるとは思いませんでした」と当時の状況を話してくれました。

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「前の家は玉石基礎で、それが地震でズレて倒れてしまったんですね。新しく建てる家も長く受け継いでもらえるように、耐震性はしっかりしたいと考えていました。ただ当時、地震に強い家といえば2×4工法が主流で。それでつくられた家を見ると、農家の家には向いていないような気がしたんですよ」とご主人。

そう悩んでいる中で、息子さんがソネケンを見つけてきてくれたといいます。実は家業である農家を継ぐ前は金融関連の仕事をしており、お客さまのご自宅を審査する機会が多かったという息子さん。さまざまな住宅を見てきた中で、ソネケンの存在も知っていたそう。

「モデルハウスと実際の住宅には差が生じやすいと思うのですが、ソネケンの家にはそういう違和感がなくて。手がけている建物のクオリティの高さを肌で感じていました。詳しく話を聞いてみても耐震性は申し分ないですし、選べる工法も豊富で......想い通りの建て替えができそうだなと期待感がありましたね」と息子さん。実際、他のハウスメーカーや工務店には声をかけず、ソネケンだけに相談をしていたことを教えてくれました。

大切な歴史を残しつつ、家族がつながる住空間。

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前の家と同じ景色を見たかったというご主人の要望に合わせてつくられたのが、リビングから奥の床の間まで見渡せる二間続きの和室。人が集まる機会が多かった大農家特有の間取りが見事に再現されています。

「茶の間から見える和室が好きだったんです」と話すご主人。「近頃は農家仲間が集まる機会は減りましたが、盆や正月、クリスマスや誕生日会などの家族行事でこの和室を使っています。こないだのお正月には飾り付けをして、みんなでお餅を食べましたよ」と嬉しそうに話します。

また、新築当時はまだ小学生ほどだったお孫さんたちですが、大きくなった今でも変わらずにこの家に泊まりに来ているのだとか。和モダンな設えと広い空間がつくりだす開放感が「まるで旅館に来ているみたい」と好評のようです。

和室を抜けた先にあるのは階段。平屋のように見えるOさま宅ですが、実はお孫さんたちが自由に活用できるようにと設計されたロフトがあります。一歩足を踏み入れると、そこにはお孫さんたちがまだ幼いころに遊んでいた形跡が。ここで楽しい時間を過ごしてきたことがわかります。

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「今となっては、ちょっとした物置スペースとして使っています。ロフトがあると平屋でも十分に収納を確保できるから便利ですよ。ただ歳をとると2階は使わなくなるので、広さは最小限にしました」と息子さん。

子世代が家を受け継ぎ、孫世代が遊びにきたときに多目的に使える余白。後代にも使いやすい設計は、まさに世代交代を見据えたおうちと言えますね。

大工の技でよみがえった旧家の趣。

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「手前の和室に飾っている五社神棚はソネケンの提案で残したものなんです」とご主人。他にも、リビングの天井に設えた梁、床の間に飾られた掛け軸や置きもの、玄関にある大きな仙台箪笥は、旧家の解体時に大切に取り出し、随所に再利用。先祖代々受け継がれてきた古材にしか出せない風合いを活かし、見事によみがえらせました。

「古材を使うと新しい木材の中で違和感が出てしまうと思っていたので、ソネケンからの提案がなかったらすべて処分するつもりでした。でも、ソネケンが『先祖さまの前でみんなでご飯を食べたりする時間も大切。ご先祖さまも見て喜んでくれるよ』と神棚を残す方向で話をしてくれて。とても印象に残っていますね」と当時を振り返るご主人。

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その言葉に、ソネケンのスタッフがこう続けます。「実は私も農家の出身でして。歴史ある農家の家を建てることの意味を考えたら自然と力が入ってしまって(笑)。それに、古材については、あの独特な風合いはただの新築じゃ絶対に出せませんから、せっかくなら活かしたかった。棟梁とも相談をして、どう活かしどう組み込むのがベストか吟味しましたよ。お住まいになられてから10年以上が経ち、建具の色合いも白から茶色に変化してるので、より馴染んできましたね」

暖房が必要ないくらいあたたかく、木の香りが心地いい。

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ここに住み始めてから12年。住み心地をおうかがいすると「冬は温かいし、夏は涼しくて快適です」とご夫婦で声を揃えて答えてくれました。「真冬でも温かくて、エアコンをつけるのは朝だけ。日中も、夜も、エアコンがなくても平気なんですよ。夏は外が熱くても室内に入るとひんやりします」とのこと。

ソネケンのスタッフもこう続けます。「断熱性と気密性が高いFP工法を採用しているので、天井が高いリビングでもエアコン一台で快適に過ごせるんですよ。寒さが厳しい時期でも、蓄熱暖房機でじんわりと温かくすることもできますからね」

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広々と設計された玄関には、農作業の休憩時間などに靴を履いたまま腰かけられるよう、室内縁側が設計されています。また、框と柱に使われているのは欅の木。ここにも注文住宅ならではのエピソードがありました。

「この欅はもともと親戚が建て替え時に使う予定だったそうなんですが、ハウスメーカーに断られてしまったみたいで。それで譲ってもらい、どこかに活用してほしいと相談したんですよね」と息子さん。

欅は反りやすいことから柱には向いていないため、結果的には構造に影響しない玄関の框と化粧柱に活用したそう。欅の美しい杢が玄関をより一層素敵な空間に彩っています。

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また、床材は頑丈な栗の木を採用。襖や障子、扉の格子は杉の木を使った職人特注の建具です。それぞれの木の性質を理解し、適材適所で活かされていました。一言で表せば「木の家」ですが、長く快適に住み続けるための職人の知恵が詰まっています。

「木がふんだんに使われているから、木の香りがしていて落ち着きますよ。この家に来た人たちも木の香りが良いねと言ってくれる」とご主人も嬉しそうに話してくれました。

おだやかに過ごせる家だから、安心して世代交代ができる。

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「ソネケンにはあまり細かい要望は伝えていませんでしたが、農家の事情を汲んでくださったり、古材を使う提案をしてくれたりと、私たちの生活に深く寄り添ってくれたことが嬉しかったです」と話すご主人。

建て替えた後も旧家の趣が残り同じ景色が見えるため、家への愛着も引き継がれている感覚があるのだとか。

「私たちも将来住み継ぐのが楽しみですね。あと、まだまだ先の話になりますが、性能的にも安心して暮らせる家にできたので、自分の子どもたちにも、その次にも......代々住み継いでもらえたら嬉しいな」と息子さんは未来へのイメージを教えてくれました。

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120年の歴史を断ち切ることなく今日までつなぎ、これから先も世代交代していける木の家。和室やロフトの工夫など、どの世代に受け継がれても快適に過ごせることが伝わってきました。この場所でOさまご一家の暮らしがどのように続き、刻まれていくのか楽しみです。